脳の神経にまつわるお話(めまい) Dr.藤田の健康コラム

 めまいを一生に一度も経験しない方はほとんどいないと思います。それほど一般的な症状ですが、原因がたくさんあります。わかりやすくざっくり記載します。

 まず、めまいがどんな状態かです。ぐるぐる回る回転性か、ふわふわする動揺性のどちらかのことが多いです。動揺性の方が圧倒的に多く、回転性は動揺性めまいの半分以下です。一般的に回転性は耳性で、動揺性は耳以外の原因といわれるのですが、例外が多く、診断に苦慮することがあります。あとめまいと一緒に耳鳴りや難聴もあるかどうかです。耳の症状があれば大体耳鼻科領域です。そして運動障害や頭痛が伴えば脳関連のめまいが疑われます。

 めまいの大多数は耳鼻科の原因ですが、命にかわりかねない危険なめまいは、脳性のことが多いです。脳出血・脳梗塞・脳腫瘍などでめまいが引き起こされたときには診断と治療を急がねばなりません。

 高血圧の治療をしていてもコントロールが悪かったり、薬をきちんと飲んでいないと脳出血を起こすことがあります。小脳や脳幹の出血が起こりますと、突然の頭痛とめまい嘔吐を引き起こします。意識障害は出血が大きいと起こります。すぐに救急車を要請してください。昔、脳卒中は動かしてはいけないという迷信がありましたが、今はすぐに救急病院で処置をするが正解です。CTですぐに出血の診断が可能ですので、血圧のコントロールを行って、巨大な出血は手術も考慮されます。

 脳虚血は生活習慣病から脳動脈硬化が起こって循環の悪くなった場合(脳梗塞)や、心房細動などの不整脈が原因となって心房にできた血の塊が脳の血管を詰めてしまう(脳塞栓)が大まかな原因です。詰まった血管、虚血を起こした場所、虚血の広がりの程度で、症状は異なります。ご注意いただきたいのは、小脳梗塞では麻痺がはっきりせず、ふわふわするめまいと一側の手足のバランスがうまくとれないということがありえます。歩行できるけれども足を広げバランスをとっています。軽症の方ですと一晩寝て様子を見てから翌日に受診されたり、1週間後ということもありました。脳循環の虚血発作が再度あれば救急車を呼ばねばならぬような危険な状況だったわけです。

 聴神経腫瘍の場合症状はゆっくり進みますので、あまり重篤感を自覚しないまま時間が経過します。めまいや聴力低下も起こりますので、おかしいなと自覚したり、周囲からずいぶん耳が遠くなったねと指摘されたら、放置せず受診してください。

最後に、脳腫瘍は予防できませんが、脳出血や脳梗塞は、高血圧や糖尿病・脂質異常症などが原因となって引き起こされますので、予防が可能なことが多いです。あと、白髪染めの使い過ぎがめまいを誘発し(特にドイツからの報告)、食いしばり・歯ぎしりが関連しているのではないかという報告がありました。姿勢の悪いストレートネックも関連があるようです。もちろん貧血や低血圧もめまいの原因です。