頭痛外来

頭痛外来治療フローチャート

頭痛外来フローチャート

頭痛の診断と治療

頭痛はよくある症状です。一生に一度も経験のない人はおられないと思います。

頭痛の大多数は肩こりです。

片頭痛は、日本人の10%が苦しんでいます。

予兆(あくび・ぽーっとする・吐き気)や前兆(光過敏や匂い過敏など)のあることがあります。

片頭痛という病名ですが、片側だけが痛む人は少なく、場所が発作のたびに代わることも多いです。

お酒や運動・ストレスで誘発されたり、休日になると痛くなる方も多いです。低気圧で誘発されることもあります。

男性よりも女性が5倍近く多いのが片頭痛です。女性ホルモンのエストロジェンの変動が片頭痛に関与することが多いためです。

小学生でも片頭痛はありますが、男女差はほとんどありません。早朝から頭痛のあることが多く前頭部の痛いことが多いのも特徴です。

中学生になると女性に多くなります。起立性低血圧や腹部症状を伴うこともあります。片頭痛の患者さんは運動で痛みが強くなりますので、部活動に影響が出ます。

そして、高校受験や18歳の進路に大きな影響を与えます。勉強や目の前のことに頑張ろうとすると鎮痛剤の過剰内服につながり、将来の薬剤乱用性頭痛(薬が効かなくなる)になってしまう危険性が大きいです。

ここで大きな朗報があります。
2000年にトリプタンが上市され約半数以上の片頭痛の方に効果がありましたが、2001年に頭痛予防薬の注射剤であるCGRP製剤(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)でさらに多くの方が救われました。
次いで2002年に急性期治療薬のラスミジタン(血管収縮を起こさない)が開発され、中高年の患者さんに朗報となりました。

予防薬の使い方がガイドラインで示され、急性期の薬剤のラインアップも増えました。
市販の鎮痛剤をその場しのぎで内服を継続することは、医師としてお勧めできません。更年期以降になると片頭痛はだんだん治まってきますが、学業仕事家庭など人生の一番大事な時期を苦しみ少なく大事に過ごしていただけるように頭痛外来を受診してください。

外科的疾患

頭痛を起こす疾患はいろいろあります。
外科的疾患をご説明します。

まず、外傷性の急性硬膜下血腫と脳挫傷です。頭部打撲後頭痛がひどく受診しました。

急性硬膜下血腫
脳挫傷
出血量は多くはないですが、脳の圧迫は強く、手術が必要でした。

次いで脳腫瘍の患者さんです。
右の三叉神経痛がありました。小さな腫瘍でしたが、手術治療が必要でした。

FLAIR腫瘍
2_T2*W腫瘍

次いで脳梗塞の患者さんです。

めまいと頭痛で発病しました。手術は必要ありませんでしたし、今は後遺症もなく元気です。脳梗塞で頭痛がすることはそれほど多くなく、脳出血のほうが頻度は高いです。

DW小脳梗塞
DW脳梗塞

最後にクモ膜下出血の原因となる脳動脈瘤の患者さんです。頭痛で受診されました。
脳動脈瘤があり、かなり大きいため、手術を基幹病院で受けていただき、現在とても元気です。

4_MRA動脈瘤
4_MRA動脈瘤2