脳の神経にまつわるお話(頭頚部の痛) Dr.藤田の健康コラム
頭頚部の痛みについて説明します。三叉(さんさ)神経痛などの神経痛は、次回続報します。
腰から下の痛みですと内臓系の痛みを除けば整形外科系の痛みと動静脈リンパの循環系の痛みに集約されます。胴体の痛みは内科外科泌尿器科産婦人科など多岐にわたることになります。どの科にかかったらよいのか、悩むことが多いと思います。狭心症なのに左肩が痛いということもあるのです。
頚から上の痛みですと、歯痛なら歯科、鼻や耳・喉なら耳鼻科、目ならば眼科、頚なら整形外科、頭なら脳外科、大体これでよいのです。なぜならば頚から上の感覚神経のほとんどは三叉神経と頸椎の第2から第4頸椎の感覚神経にほぼ集約され、痛む場所が病気の場所であることが多いのです。
一番注意が必要なのは緑内障です。目の奥の強い痛みと頭痛、目のカスミ視力低下があります。目の症状よりも頭痛症状が強いときもありますので脳外科の病気と誤認されることがあります。重度緑内障は失明の危険性があること、そして睡眠薬などおおくの薬との相性が良くなく、症状を悪化させることがありますので、かかりつけの先生にご相談ください。
主に耳の痛みである中耳炎・外耳炎の痛みも強い痛みですので、耳鼻科を受診してください。副鼻腔炎(頬や額などの痛み)は頭痛がメインになることがあります。下を向いたら前頭部や顔に重い痛みを感じることがあります。
顎の痛みは顎関節症の痛みが多いです。硬いものを噛むと痛いので、歯科ないし口腔外科を受診されてください。

頚から下の帯状疱疹は皮膚科の病気なのですが、気を付けなければならないのは頚から上の帯状疱疹による神経痛です。三叉神経第一枝の帯状疱疹は額中心、第二枝は頬中心、第三枝は下顎になります。頸椎の第二後根は後頭部になり、頸部は第三後根、その下の上部の背中は第四になります。早期発見早期治療が大事ですし、発病を予防するためにワクチン接種が勧められます。
頚の痛みはほとんど肩こりといいますか頚こりですが、頸椎の変形や頸椎椎間板ヘルニアによることがあります。最近ではスマートフォンを見る姿勢、うつむき加減で少し顎を出す姿勢ですが、この体勢を長時間続けることで、もともとの生理的な頸椎のカーブを失ったストレートネックというまっすぐな頚になり後頭部から後頚部の痛みを誘発します。テレビからパソコン・スマホの時代になって、どんどん頚の姿勢に無理がかかってきました。うつむいて読書をする姿勢でも肩こりを誘発しますが、ちょっと下向きに角度が変わっただけでも長時間続けると頚こり頭痛を誘発します。小学校の時に肘を伸ばして教科書をまっすぐに持って読んだ経験はないでしょうか、この姿勢では頚はあまりこりません。肩や腕が痛くなるかもしれませんが。運動不足と長時間の悪い姿勢で頸椎特に上部中部頸椎の支障をきたす方が増えています。「スマホを捨てよ町へ出よう」と寺山修司は言うでしょうか。
