脳の神経にまつわるお話(汗のお話です) Dr.藤田の健康コラム
汗のお話です。汗は皮膚全体でかき、汗をかく器官を汗腺といいます。汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺があります。体温調節に大事なのがエクリン腺です。汗をかくことで熱を逃がし熱中症になることを防いでいるのです。馬や人にはエクリン腺があり、汗で体温をコントロールしています。しかしエクリン腺をもっている動物はわずかです。犬や猫はエクリン腺を持っているものの足の裏の肉球に存在するのみで、身体で汗をかくことができず、ハアハアと息をして呼吸で熱を放散します。

皮膚の血管は交感神経の支配を受けています。エクリン腺も交感神経だけの支配を受けています(断言してよさそうです)。もう一つの汗腺であるアポクリン腺は人では、脇の下やそけい部にあり、性ホルモンの影響を受けます。アポクリン腺は毛根部に接しており、立毛筋(りつもうきん)と関係して、鳥肌がたつ、ことにも関与します。
年齢とともに皮膚の活動性が落ちて汗は減ってきます。汗が減ると皮膚温を下げられないので、暑がりになってもよさそうですが、実は寒がりになります。扇風機の風が苦手、ましてやエアコンの冷風はまっぴらごめんという方はおられませんか?わたくしは、実はエアコンは苦手です。温度を下げすぎないで、例えば除湿程度ならばなんとか大丈夫です。一般的に年齢とともに脳内の視床下部というところにある熱ニューロンが減り、冷ニューロンはあまり変化ありません。そのため年齢とともに暑さを感じにくくなり、30度近くあっても寒いと感じることさえあります。寒冷地で生まれ育った方はもともとエクリン腺が少なく、年齢とともにさらに暑さを感じにくくなるがために、水分をあまりとらず、熱中症になりやすくなります。従いまして、デジタル温度計をできれば複数、かつ湿度計を内蔵した温湿度計が良いと思いますが、日常生活の場に常備して、「自分の感覚だけに頼ることなく」、客観的指標を確認してください。「暑さ指数」をご存じでしょうか。環境省が報告しています。スマホですぐに検索できます。出てきた日本地図を拡大して赤なら危ない、青ならば大丈夫と一目でわかります。
汗かきの人はかなり皮膚温を下げられますが、もともと基礎体温も高いという方もおりますので、汗かきだから大丈夫というわけではありません。甲状腺機能亢進症や糖尿病の方は汗をかきやすくなります。あと更年期障害、パーキンソン病、ステロイドなどの薬剤、緑内障やシェーグレン症候群で用いる薬剤で発汗が増えることもあります。原因不明の特発性の発汗もありますので、かかりつけの先生や、皮膚科の先生にご相談ください。
年配の方が薪ストーブの頃からの朝の習慣としてストーブにまず火を入れることがあります。薪ストーブでお湯を沸かし調理する習慣はもう消滅したでしょう。自分は子供の頃ストーブで酸っぱいリンゴを焼いて食べていました。
