脳の神経にまつわるお話(ドライアイとドライマウス) Dr.藤田の健康コラム

自律神経という名前を聞いたことがあると思います。この神経は結構説明が厄介ですが、最初は眼と涙、口と唾液、この例外的な生理現象から説明します。

自律神経は大まかに交感神経と副交感神経の二つがあります。交感神経は「体の活動に適した状態」をつくり、副交感神経は「次の活動に備える状況」を準備します。交感神経が優位な昼間は心臓の脈が速くなり、副交感神経の優位な夜に脈は遅くなります。例外的に睡眠時無呼吸症候群の方は夜にいびきと無呼吸が頻発するために交感神経が休めなくなり副交感神経が働きすぎてしまい、体に無理がかかります。むつかしい言い方ですみませんが、内臓に交感と副交感の二つが二重に働きかけ(二重支配)て、なお交感と副交感は真逆の働き(拮抗支配)になるのです。

 まず、唾液です。唾液はさらさらとねばねばがあります。唾液の分泌は通常副交感神経の働きですが、極度の緊張の時にのどがカラカラになったことはないでしょうか、交感神経ががんばると唾液は極度に減りますが、それでも少しは分泌されています。ドライマウスになるとうまく話せない、のどが詰まってご飯を食べられない、消化酵素も出ない、歯の衛生上もよくないなど、唾液が出ないと体によくありません。そこで、自律神経は例外的に唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)に、交感神経にもなんとか唾を出すようにと、命令させている、そういうことだと理解しています。シェーグレン症候群という病気があります。自己免疫疾患です。口が乾くときには歯科や耳鼻科・内科を受診してください。

 シェーグレン症候群の患者さんは、口の中だけではなく、目も乾くことが多いのです。ドライアイの方はまず、眼科を受診してください。涙腺も唾液腺と同様に交感神経と副交感神経はどちらも目を乾かないようにと、お仕事をしていますが、乾きますと目にゴミが入ったときに涙でごみを外に出すことができず、角膜に傷がついてしまいます。角膜損傷は失明につながりうるのです。すぐに眼科に行きましょう。

 神様は人間の体をどのようにお考えになりおつくりになったのか。交感神経の中枢は脊髄の胸部と腰部だけに存在し、副交感神経の中枢は脳内と脊髄の仙髄に存在します。そこから出た神経は神経節にあつまり、神経節から出た節後神経は体の中に網の目を張り巡らせています。

次いで条件反射についてです、梅干を食べたことがない人は、梅干を見たときに唾が出てきません。梅干を食べた人は酸っぱいことを知っていますので、見ただけで唾が出ます。見ただけで涙が出るシーンは人さまざまかと思います。条件反射は大脳が関与するものです。餌を与える人が近づくだけで犬がよだれを流す「パブロフの犬」は有名ですね。

自律神経は、多くの働きを持っていることが近年明らかになってきました。なるべくわかりやすく記載することを心がけますが、ちょっとむつかしい言葉が多くてごめんなさい。