脳の神経にまつわるお話(視力視野障害) Dr.藤田の健康コラム
今回は神経と関連した目の症状です。ほとんどの視力低下や視野狭窄の障害は眼科の病気で起こることが多いです。白内障や緑内障などが、ポピュラーな目の病気ですし、白内障は長生きすればほぼ9割以上の方が患ってしまう病気でもあります。

目の症状が脳の病気でも起こることがけっこうあります。特に複視(ダブって見える)は眼球運動障害を伴っていますので、脳幹梗塞などの脳卒中で起こることが多いです。脳動脈瘤が大きくなった時に特に動眼神経にぶつかって圧迫して眼球運動が制限されて複視が起こることがあります。複視が、動脈瘤が原因で起こったときには、破裂の危険サインと考えます。急ぎ脳神経外科を受診してください。
また、急に片方の目が見えなくなって、真っ暗ないし薄暮状態になることがあります、これを一過性黒内障といいます。片側の眼動脈の血液の流れが悪くなって起こる症状です。ほとんどが頸部内頚動脈の狭窄がもとになって起こったり、心房細動などの不整脈が原因となって血の塊が心臓から脳に飛んで途中の眼動脈の血流を途絶させたときにおこります。一時だけで終わればなんだったんだろう?とそのまま様子をみる方もおられるでしょうが、一時で終わらなければ梗塞は広がり麻痺まで出てしまう、そういう危険な症状とご理解ください。一過性黒内障の時には急ぎ検査が必要です。専門医でその後の治療方針をきちんとつけなければなりません。
半盲について説明します。真ん中はきちんと見えていて 両方の耳側が見えなくなっていること、それを耳側半盲といいます。ホルモンを分泌する下垂体の腫瘍やその近辺の腫瘍が視神経の左右の合流点(視交叉)を下から突き上げるように圧迫することで起きます。ゆっくり進行しますので自覚は少なくても、交通事故を起こしやすくなります。どうも視野が狭いなと気づいたら脳外科を受診してください。
側頭葉から後頭葉の脳卒中や脳腫瘍で起こることのある症状が、左右の目とも同じ方向の半分が見えていない同名半盲という症状があります。後頭葉の脳卒中では急速な認知症状を伴いますので、すぐに脳外科に受診してください。この症状が急に起こって悪くなっても救急車を要請する方はほとんどおりません。手足の麻痺が伴っていませんので、車の運転をして事故を起こしてしまった、話がどうも通じない、という症状があっても、脳卒中かもしれないと一般の皆様はすぐに想像が及ばないのが、この同名半盲を伴う疾患群です。変だなーと思ったらすぐに受診されることをお勧めします。
最後にあまりなじみのない病名かもしれません。レビー小体病という病気があります。リアルな幻視幻覚があり、視力や視野障害ではないですが、人がいる動物がいると訴える方がおります。パーキンソン病や認知機能低下をいずれ伴うことがありますので最後に付け加えました。
